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『業界の現状分析から業界の未来を生き抜く正しい戦略を描く』
~保険代理店・FP事務所 実践経営レポート~
船井総研 保険チーム
北海道札幌市の葬祭企業。葬祭以外にも生花・仏壇・飲食サービスなどを展開。
業界でいち早く「家族葬」に取り組み、一日一家族だけのセレモニーハウス「ウィズハウス」は現在道内に9拠点、
フランチャイズによる全国展開も本年度から開始される。
葬祭業だけに収まらない「究極のサービス業」を目指して、グループ統一理念として「感動の創造」を掲げる。
業績を8年で10億円から20億円に導いた敏腕社長が語る経営戦略とは。
他企業との差別化や、働き方改革について存分にお話を伺いました。
企業名:株式会社メモリアルむらもと
創 業:1952年 / 年商:20億円 /
従業員:250名 (2018年2月時点)
皆様、こんにちは。
前回の続きをお送りします。
■残業時間を1カ月で70%削減!?
コンサルタント:
昨今は人材不足に悩む企業が多くなっており、葬儀業界も同様かと思いますが、
人材マネジメント面ではどのような戦略をおこなわれているのでしょうか。
村本:
2017年の12月から本格的に働き方改革をスタートいたしました。
もともと葬儀業界は予定が立ちにくい業界で、
残業時間も多ければ休日の予定も立てづらく、
人材定着が難しいという実情があります。
弊社も同様で、昨今の労働人口の減少もあり、
ここ数年は離職率が20%ほどまで上がってしまっておりました。
そこで働き方改革のプロジェクトを進めまして、
当初葬儀の施工部門の残業時間がアベレージで50時間ほどあったものが1カ月で13時間まで減少しました。
2カ月目は1桁になる予定です。
コンサルタント:
それはものすごい数字の変化ですね。
具体的な取り組み内容を教えていただいてもよろしいでしょうか。
村本:
一番の改革は、「予定された仕事以外の仕事をおこなわない」というものです。
葬儀業界では、突然病院からご遺体の搬送の電話がかかってきたりすることが多くあります。
それを一人の人間が予定されていた仕事をリスケしておこなってしまうと、
それがそのまま残業という形として表れてしまうので、そこには搬送部門を専門で設置しました。
それでも受け入れ切れない場合はアウトソーシングを手配しています。
他にも葬儀場にコンシェルジュを配置して、
事前・事後のお客様からの直接的な対応はコンシェルジュが一任することで、
葬儀担当のプランナーが予定以上の仕事をすることがないようにいたしました。
コンサルタント:
まずは業務の見える化を進めて、専門化をおこない、
それぞれのムダを省くような組織体制と外注を進めたわけですね。
村本:
そうですね。あとは「時間でくぎる」という観点ですね。
今までは「仕事が終わるまで」でしたが、何時から何時まではこの担当者、それ以降はこの担当者、
といった具合に、同じお客様にも時間によって違う担当者がつくような形にいたしました。
コンサルタント:
そうすると担当者間の引き継ぎが懸念されますがいかがでしょうか。
村本:
独自のクラウドシステムを活用して、
お客様に関する細かな情報をデータで記録するようにしました。
次の担当者はそれを予習してから業務に入る。
そうすることで引き継ぎが円滑に進むように手配しました。
■戦略をやりきる経営者力
コンサルタント:
働き方改革には従業員様からの反発などはなかったのでしょうか。
村本:
残業時間が減るということは、自由な時間が増えるという一方で、
従業員からすると給料の減少という側面もあります。
そこで働き方改革を始める前に、その目的と方法、
セーフティネットをしっかりと従業員に伝えました。
「会社の人件費を削減するためにやるのではない、従業員が定着して、
プライベートと仕事の関係を保ってもらうために、会社が身銭をきってやる。
残業は抑制するし、5カ月で残業時間はゼロにするけれど、
それまで30時間のみなし残業代は払い続ける。」
みんなのために会社がお金を払っておこなうという思いを最初に伝えていたので、
従業員が積極的に動きを進めてくれていて、なおかつ進捗の数字もとてもいいです。
コンサルタント:
とてもすばらしいですね。
メモリアルむらもとさんのプロジェクトの進め方とそのスピードには感動いたしました。
村本:
かっこいい戦略などなくて、結局は戦術の束の太さが大切なので、
「思ったことはすぐに行動、やって失敗したら忘れなさい」といつも従業員にも伝えています。
今後もありとあらゆることにスピーディに挑戦して、
より良い会社、社会を創造していければと思っています。
コンサルタント:
村本社長、本日は貴重なお話をお聞かせいただき誠にありがとうございました。
村本:
ありがとうございました。
続きは次回お伝えいたします。
最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。
以上
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