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『業界の現状分析から業界の未来を生き抜く正しい戦略を描く』
~保険代理店・FP事務所 実践経営レポート~
船井総研 保険チーム
みなさま、こんにちは。
先日、演出家の宮本亜門氏がステージ2の前立腺がんであるとのニュースが報道されました。
これは、テレビ番組の人間ドックによって疑いが浮上したものであり、
その後、早期に精密検査を受けて、診断が下されたものでした。
2015年あたりから、タレントや著名人を中心に、がんと診断された際の報道の過熱感が増しているように感じます。
とりわけテレビにおいては、番組編成に長尺を設けられるようにもなっており、
がん罹患への関心が上昇していると思えます。
しかし、なぜここまでこの数年で、がんへの報道が過熱し、
また生命保険会社の広告に実際に罹患したタレントを起用するようになってきたのか、
ということを考えると、マーケティング戦略の観点からも興味深いものだといえるでしょう。
数年前に、歌舞伎役者の妻が、がんにより逝去されたニュースは記憶に新しいですが、
とくにそうした事案から、がん保険の加入が急増するとのことです。
代理店の担当者にしても、保険会社の担当者にしても、著名人のがん罹患告白の直後には、
がん保険の加入が急増するとのことで、またすぐに平準に戻るとのことです。
度重なる、がん罹患のニュースによって、がんに対する関心は高まってきており、
がん保険への加入数も増加とのことですが、これがニュースによる喚起に拠るもの、
つまり著名人らの「インフルエンサー」としての発信に拠るものであるとするならば、
短命に終わってしまうでしょう。
がんの罹患者数や罹患率は増加の一途にありますが、
「医療保険やがん保険に入っていれば安心」といった宣伝は、
本質的な問題を歪曲させてしまう可能性があると、私自身は感じています。
がんの罹患率が増加の傾向にあるのは、生活習慣や現代社会の生活環境、
はたまた多様化する食生活の変化や、食料品の摂取などが要因にあるともいわれています。
前回のレポートで申し上げたように、保険会社や代理店のサービスとして、
遺伝子検査や血液検査、健康促進を目的にしたサービスを展開するものが増えてきていますが、
これらは長期的なスパンでの予防とは言い難い一面があるでしょう。
健康診断を積極的に受けられるような促進や、
また長期的な健康的な生活を自重できるようなサービスを保険代理店や保険会社が
「イニシアティブ」をもって健康に正面から向き合うための仕組みを発信できるようになれば、
それこそ人に寄り添ったパートナーとしての位置付けを提供できるでしょう。
最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。
以上
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