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『業界の現状分析から業界の未来を生き抜く正しい戦略を描く』
~保険代理店・FP事務所 実践経営レポート~
船井総研 保険チーム
今回は、OJTをテーマにした4回目となります。
前回は、営業員のロープレを通しての営業力強化について述べさせていただきましたが、
これは新人教育のみならず、長期的に実施していく必要があると考えています。
一般的にロープレは周囲の社員を巻き込んで実施していくものですが、
先輩社員や上司社員が一方的に観察するだけでは、効果は半減してしまいます。
重要なのは、ベテラン社員であっても、ロープレとしてアウトプットしている状況を周囲に見させることであり、
若手社員と同時に、ロープレの実施者として参加することが重要です。
ベテラン社員ほど、慣れという認識が先行してしまい、それにより、
自分は十分である、という自信過剰に陥ってしまうことがよく見受けられます。
しかし、逆に、ベテラン社員が若手社員とともにこうしたトレーニングで参加することにより、
経験に頼りがちなベテラン社員のアウトプットの場として適しているだけではなく、
社内におけるコミュニケーションの場を創出することができるともいえます。
社員が多い企業であれば、このロープレを実施するチーム構成も毎回メンバーを変えて
社員間の接点の場を増やすこともこのロープレの目的として、非常に有意義なものとなりえます。
ロープレを長期的に運用していくポイントとして追加したい点は、
(1)ロープレを運用するリーダー、および責任者を設定することと、
(2)業務時間内にできるだけ行うということです。
(1)については、責任者を任命することにより、社員間がロープレを自己啓発という認識から、
業務であるという認識に転換して捉えるようになるということと、
(2)については、自己啓発という点に限定することがないということです。
とりわけ(2)については、ロープレは就業時間以外に行うべきであるという経営者が多いですが、
こうした社員トレーニングは教育の一環であるので、あくまで業務であるという認識は欠かしてはなりません。
なにより、自己啓発であるという認識のまま続けていこうとしても
社員のモチベーションを維持し続けることは難しくなるケースが散見されます。
ロープレは、ロープレが先にあって実践に活かせるものであるというより、
実践の場をロープレにも適用させ、また実践に活かす、というように交互に用いることで、
インプットとアウトプットの反復として身についていきます。
ロープレでのセールストークは、お客さまとの商談の内容が全て前提になっているわけなので、
お客さまとの反応がロープレと大きく異なっているとか、
想定した内容と違う内容で質問が多い、といった事例がセールスの現場で出てくることが起きれば、
そうした実践での例を自身の中で振返りとして集約し、その修正した内容をインプットすることが最も重要です。
こうした、一連のアクションについては、
意識せずとも自然とアウトプット→インプット→アウトプットとして連鎖していきますので、
まずは習慣化させる体制を組織内において提供することを、
責任者や経営者は心がけていただきたいと思います。