船井総研の渋谷です。
4月15日の日経新聞朝刊に、「上場中堅の4社に1社が最高益 今期、ネットけん引」という記事が掲載されていました。日経ベンチマークのひとつである、直近売上高100億円未満のNEXT1000において、インターネット関連企業を中心に、26%の企業が純利益が過去最高となるとのニュースがありました。
その中で、鎌倉新書という企業が紹介されていましたが、この会社は2015年にマザーズに上場し、2017年に東証一部に鞍替えになっている企業です。
設立は、1984年で、当初は仏壇仏具業界向けの書籍を出版している会社でしたが、2000年に全国の葬儀社検索、お葬式のマナーや葬儀に関する総合情報サイト「いい葬儀」を開始し、その後、霊園・墓地・お墓探しの総合情報サイト「いいお墓」や、仏壇と仏壇店探しに関する総合情報サイト「いい仏壇」を事業の中核としており、その後さまざまなエンディングサービス向けサイトを展開し、業績を伸ばしています。
この「いい葬儀」サイトでは、葬儀サイトの場合、提携する斎場など約5500を掲載しており、利用者は料金や葬儀の種類、場所、評判などを手掛かりに希望に合う葬儀社やプランを探せるというものです。実際の購入や契約に至れば手数料が鎌倉新書に入る仕組みとなっています。
2020年1月期の連結売上高は前期比34%増の33億円、営業利益は8%増の8億円を見込んでおり、株価は、15年12月末の約10倍の水準で推移しています。
この企業は、出版事業から事業転換し、高齢社会である国内マーケットにおいて、葬儀ビジネスとネットにいち早く注力したことにより、事業転換後に順調に上場を果たしています。
縮小するマーケットにどう対抗するか。こうした例から、業界の可能性を模索していきたいと思います。