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コンサルタントブログ

2019年04月08日

2020年「観光大国日本」に向けて考えていきたいこと

みなさまこんにちは 船井総研の渋谷です。

 

「オーバーツーリズム」というワードをご存知でしょうか。これは、観光地が耐えられる以上の観光客が押し寄せる状態のことを示しており、観光公害ともいわれます。

とりわけ、日本の各地においても、インバウンドの増加において、観光客の増加の一方で、看過できない問題も随所で発生しているようです。

 

 

2018年に、日本は海外からの観光客が3,000万人を突破し、アジアのおいても観光立国としてインバウンド数が上位になってきています。

政府としても、2020年に、訪日客4,000万人突破を目標としており。更なる観光大国としての整備・体制を整えていくことを掲げています。

(参考;観光庁「訪日外国人旅行者の受入環境整備(http://www.mlit.go.jp/kankocho/shisaku/kokusai/ukeire.html)」

 

 

一方で、地元の住民や事業者にとっては、歓迎一辺倒とは言い難い問題も発生しているようであり、政府としては、単に訪日客数を増やすだけではなく、受け入れる側のキャパシティーをどう拡大していくかを両面から対応していかなければなりません。

 

私は、現在神奈川県の湘南・鎌倉エリアに在住しておりますが、鎌倉駅周辺の急激な観光客、とくに訪日外国人客増加が肌で感じられるます。しかし、鎌倉駅から鶴岡八幡宮までの参道も古典的な街並みゆえ、多くの観光客を受容できる街ではありません。また、住宅地も密接していることからも、観光地としての位置付け、また住宅地としての区分けが相容れない状態となっています。

 

3月には、鎌倉市は公共で食べ歩きの禁止、公道での撮影禁止などのマナー向上を目的とした条例を制定しました。

事実、鎌倉市の「鎌倉市観光基本計画策定調査」によると2018年、市民の過半数が急激に訪日外国人が増えたと感じており、市民の8割が、訪日外国人の増加はマイナス影響を及ぼす、と回答しています。観光客と地元民との懐柔が課題となっています。

 

訪日外国人数が増加するのは、外貨獲得などの経済効果においても歓迎するべくことですが、地元民へのマイナスの影響が広がるのであれば、国内旅行者の減少にもつながっていくでしょう。実際に、2018年公示価格上昇率トップの北海道ニセコエリアは、冬季シーズンにおいては、日本人が全くいない観光地となっています。

 

日本もアジアのみならず世界において、観光大国として位置付けられるためにも、政府主導でインフラの整備や言語環境を整える必要があります。

また観光地となる自治体においては、自治体が率先して体制を整え、情報発信を行いつつ、事業者と住民との相互協力が不可欠といえるでしょう。

 

2020年、東京オリンピックもあり、訪日外国人数も増加する見込みの中、受け入れる我々の理解と整備においてイニシアティブを発揮することが肝心です。

 

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