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『業界の現状分析から業界の未来を生き抜く正しい戦略を描く』
~保険代理店・FP事務所 実践経営レポート~
船井総研 保険チーム
2019年4月1日に、新元号が「令和」と発表され、5月から新しい時代がスタートします。
さて、保険代理店や保険会社では、生命保険分野において、
非対面によるサービスの拡充や、またチャネルに合わせた商品の策定が進んでいます。
保険会社においては、楽天生命保険が2月から自社のサイトで、
AIが自動応答するチャットボットを通じて回答者に適した自社の商品を提示する
「AIアドバイザー」をサービスとして開始しました。
この、AIアドバイザーはチャット機能を使って質問に回答すると、
楽天生命が販売する死亡保険と医療保険、がん保険からお勧めが提示されるもので、
ネット経由で保険に加入できます。
また、個人投資家向け情報サイト運営のミンカブ・ジ・インフォノイドがジャパン・デジタル・デザイン(東京・中央)と
共同で開始した「みんかぶ保険」も、個人への最適保険提案サービスを行っています。
実際に使用してみると、いずれもまず感じたのが、
その操作における「シンプルさ」と「みやすさ」を追求していることにあるでしょう。
ほとんど言語入力する必要がなく、マウスやスマホのクリックだけで質問に回答することが可能です。
ただ、AIサービスは会社によって「超」シンプルなものから
細かい設定まで可能なものまで多彩であるとも感じました。
後者においては、特定の保険会社に属していないので、
様々な商品ラインアップから自分に最適だと判断された保険商品を閲覧することができます。
保険商品の提案を受けて印象として思ったのは、以下の点です。
⑴選定された質問からなにを判断基準としているのか
⑵数多くある保険商品から、最適とする商品をピックアップした根拠はなにか
⑶保険料の算出の根拠はなにか
こうした点が第一印象として感じられたところです。
また、対面営業との決定的な違いは、AIとの「対話」はあるものの、
それは商品の選択に関するものが中心であり、
内容に関する高度な質問等には回答できないといったものがあります。
非対面チャネルの強みは、対面しなくてよいという利便性や商品加入までのスピードにありますが、
こちらから能動的な見解や意見を持っている場合には、対応できないという側面もあります。
ですから、こうしたAIサービスにおいて、比較的保険商品に対して知識を持った消費者には高度なサービスを、
シンプルな保険商品を迅速に加入したいというニーズをもつ消費者にはシンプルさ重要でしょう。
ただ、AIサービスにおいては、加入後の情報については受動的にならざるを得ないところがあるので、
「規約等」の説明等において、齟齬が発生することを想定されるでしょう。
保険代理店や保険会社においては、販売時に商品加入後の支払い条項など、
「規約等」の説明も重要事項の説明としてみなされており、
「顧客本位の営業」に不可欠な要素となっています。
今後、対面チャネルや非対面チャネルにおいて対面チャネルにおいては
消費者のニーズと相応な商品の棲み分けがより明白になっていくものと思われます。
対面チャネルの代理店においては、顧客に対して「おせっかい」と思われるような距離感が
その棲み分けの要素の重要なものとなるかもしれません。
改めて今度の顧客との在り方について自社の存在意義というものを意識していきたいものです。
最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。
以上
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