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『業界の現状分析から業界の未来を生き抜く正しい戦略を描く』
~保険代理店・FP事務所 実践経営レポート~
船井総研 保険チーム
早いもので、2018年も夏季に入り、4月に入社された新入社員も一斉に営業を開始し始める時期になりました。
今回は、現場に配属された新米営業員の育成プロセスについて述べたいと思います。
保険会社や保険代理店の営業員も駆け出しの頃は、毎日が新しい経験で、
また緊張とプレッシャーを感じながら毎日を過ごしていかなければなりません。
同時に、社会人1年目の新入社員は、組織の一員になることも慣れていませんので、
マネージングする立場としても、新入社員育成には神経を使うこともしばしばです。
ただ、駆け出しの時期に身に付けるべきこと、つまり基礎をしっかりと身につけないと、
営業員としての価値を発揮させることが遅くなるばかりか離職にもつながりかねません。
社員をマネージングする立場の管理職は、育成のためのプログラムを制定していくことが必要となります。
一般的に、新米営業員は、募集人登録と研修を経て、以下のプロセスを経ていきます。
初期の段階の知識のインプットは、集合研修などで実施することが一般的なため、
ここの段階で大きく差がでることはありません。
重要なのは、現場配属になり、いよいよ業務をこなしていく段階です。
この段階では、集合研修で高まったモチベーションが、現場に配属されると急速にトーンダウンすることが多く、
自分が見据えたビジョンを見失いかける時期でもあります。
5年ほど前までは、現場配属初日から、特に説明もなくいきなり新規開拓として飛び込み営業に駆り出される、
といったことが業界では見受けられましたが、現在では、合理的なプロセスとは言えない一面もあります。
この段階で重要なことは、実は、営業員がバックオフィス業務を理解することです。
営業員と事務員は、完全に業務が分断されている、ということはよく見受けられることですが、
営業員がバックオフィス業務(事務業務)を理解することは、基礎として極めて重要です。
営業員の多くは、「事務の仕事は事務がやること」と捉えがちですが、
営業員が事務業務を看過できなくなった理由は、代理店への監督強化にあります。
2008年以降、金融庁の方針により、コンプライアンス(法令遵守)は
代理店が自ずと取り組まなければならないという《プリンシプル・ベースの監督》が浸透しました。
これは経営者から事務・営業員までが自ずと取り組まなくてはならない、
ということ指し、営業員も法令を徹底的に意識した営業行為を行うことが必須となりました。
バックオフィス業務では、営業員による営業がコンプラインス上問題ないかというチェックのほかに、
顧客保全、クレーム処理、メーカー対応、書類整備、顧客管理、などを担いますが、
これらの業務を通して、顧客との折衝力を高め、また同時にコンプライアンス意識を身につけることができます。
またなにより営業員がバックオフィス業務を理解することで、
営業員と事務員の間に障壁ができるという、組織内の対立をなくすことにもなります。
バックオフィス業務は代理店とメーカーそして顧客を結ぶ、管制塔のような役割で、
営業員の営業結果はすべて、バックオフィスを通してメーカーや顧客に渡ります。
つまり、営業員の監督業務でもあることから、バックオフィス体制が脆弱であると、
メーカーや顧客に影響が及び、代理店としての存続の問題にもつながります。
よって、初期の基礎段階においては、代理店がこのプロセスを実行する目的を理解し、
OJTとして配置できる環境を構築する必要があります。
次回では、営業員が営業行為を開始する上での育成プロセスについて言及したいと思います。
最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。
以上
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