お電話でのお問い合わせはこちらから
電話受付時間 9:45~17:30/土日除く
『業界の現状分析から業界の未来を生き抜く正しい戦略を描く』
~保険代理店・FP事務所 実践経営レポート~
船井総研 保険チーム 岩邊久幸
第一回目の本日は、「人(働き手)不足対応一番化」です。
最近、あなた様も飲食店に外食に行くと、席が埋まっていないのに、
「少々お待ちください」と待たされることってありませんか?
店内を見ると、下げ物は残っていて、下げられていません。
働いている方も、店相応のスタッフではなく、
お店に不似合なお年寄りがかわいらしい制服に身を包んで、働いている。
つまり、ランチタイムがヒト不足で回っていないという状況です。
夜の時間帯においても、居酒屋さんに行くと、
「すみません!」と何回も大声で声をかけるのですが、
なかなかオーダーを聞きに来てくれないという経験もされたことがあると思います。
この現象は、昨今では珍しいことではなく、全国で起こっている現象です。
これがまさに、ヒト不足時代の典型的な風景ではないでしょうか。
仕事はあるのに、人さえ来てくれれば・・という企業様もあるかと思います。
今は、まさに人、もっと言えば、“働き手”こそが重要な時代になってきています。
まずは、現在はそういう時代だ!という認識をしていただき、
トップである皆様には、お客様を獲得することが重要なことではなく、
人を採用して、定着してもらうことが最も重要だ!
ということ認識していただきたく思います。
そのように考えると、まずは既存社員を退職させない風土つくりというのが、
大切になってきます。
具体的にどうすればよいのでしょうか?
それは、“仕事がより快適にできる職場つくり一番化”です。
船井総研では、人財になる社員の3条件ということで、
「仕事好き」・「会社(社長)好き」・「仲間好き」と言います。
まず、会社が意識しないといけないのは、「仕事好き」になってもらうことです。
どういうことかと申しますと、仕事をしていると、
PCのバージョンが古くて、遅い・フリーズしやすいという状況があるかと思います。
こういった状況を改善し、社員に楽しくイキイキと快適に働いてもらう。
こういったことを、給料を上げることよりも前に、
その職種に愛着を持って働いてくれる人が快適に仕事をすることができるように、
環境を整えてあげる必要があります。
そして、2番目は、“家族の応援したい会社一番化”です。
最近では、土日はしっかりと休みたい!とか、
子供の運動会に出たいから、休みたい!
という社員の声も聞くことがあると思います。
広島県NO1の自動車販売業のS社では、
整備士が仕事で着るつなぎを会社がクリーニングして支給しています。
なぜこういうことをするのかと申しますと、
油で汚れたつなぎを家で洗濯するとなると、
日常の洗濯物と一緒にすると油汚れが移ってしまうので、別に洗濯をするわけです。
それが奥様にとっては、非常に手間なのです。
場合によっては、洗濯機そのものを別に用意しなければいけないケースもあります。
家族である奥様の負担を減らそうということから、こういう取り組みを行っています。
つまり、本人は好きで働いていても、
家族が「辞めちゃいなよ!そんな会社」と言われてしまうと、
本当にそれが引き金になって退職につながる可能性が高いという時代になってきたということです。
そして、3番目は、“健康経営一番化”という話です。
あなた様は、自社の社員がお昼をどうしているかを気にされたことはありますか?
そういったことにまで、心を配っていただきたいのです。
男性が多い職場だと、本当に好きなものしか食べないということが見られ、
夏も体調崩しやすく、冬も風邪をひきやすいといったことが起こってきます。
結果的に、社員が健康に過ごしてくれるということは、
稼働率が上がってくるということなのです。
保険業でいえば、急な事故対応や深夜対応等で、夜が遅くなることもままあります。
そういったどうしようもない不規則な仕事環境だと体調を崩しやすくなるわけです。
そういった環境そのものを改善するということも大切ですし、
いきなり職場環境をどうこうできなくても、
社員が極力体調を崩しにくい環境を用意していくということが大切です。
星野リゾートさんは、応募者を非喫煙者のみに限定して採用活動を行っています。
もしよければ、星野リゾートさんの採用ページをご覧になってみてください。
開いた瞬間に、「あなたは喫煙者ですか?」という質問項目が出てきます。
「Yes」を選択すると、
「申し訳ございません。弊社では、喫煙者を採用していません。
それが企業の競争力に直結すると思っているからです」という表示が出ます。
ここまで徹底している会社すら世の中には存在するのです。
社員の健康というのは、非常に大きな健康課題となっているのです。
さらに、健康というのは、体だけではなく、メンタルも含みます。
最近、あなた様の会社でも、
うつ等の精神疾患にかかってしまう社員様もいらっしゃるのではないでしょうか?
とある大阪の医療機関では、「迷惑行為により、診療をお断りすることがあります」
という掲示をしている組織もあります。
例えば、パワハラやセクハラ、威嚇行為等、
そういったことをする方はお客様といえども、お受けしません!
ということを明確に宣言しているのです。
これは、社員にとって、会社が守ってくれていると感じ、大きな安心感につながります。
4番目は“総報酬の一番化”というのも挙げられます。
報酬という言葉を聞くと、給料を思い出される方が多いと思います。
弊社にも、評価制度を変えたい、給与制度を変えたい
と相談に来られる企業様が多いのですが、
実際に話を聞くと、そこではない・・というケースがよくあります。
報酬というのは、イコール給与ではありません。
給与というのは、報酬の一部であって、仕事そのもののやりがいや、
その仕事をやり遂げたことで得られる新しい仕事、働きやすい環境、
この会社にいても良いのだという承認、かけがえのない仲間たち、
そういうものを全て含めて報酬といえます。
そして、5番目は“女性活用一番化”も挙げられます。
特に、産休・育休の問題や、家族の介護が大きな課題になってきています。
そういった意味では、女性活用という観点も、充実していく必要があります。
・・・次回に続く
【その他のおすすめコラムはこちら!】